ひねもすのたりのたり。

好きなものとか、日々思うこととかを記録しています。

二度と観たくない名作映画①

 今日は休日ですが、朝7:00に起きてイヤホンで音楽聴きながら掃除機かけたりウェットクイックルかけたりシーツ洗ったり皿洗ったりしていたので頗る機嫌がいいです。いや~Bluetoothのイヤホン買って本当に良かった~。あとApple Musicね!QOLが爆上がりです。今日は午後お買い物に行こうかな~。パンプス用の靴下が欲しいです。あんなんナンボあってもいいですからね……。
 というわけで連休だし、連休の間は5本くらいブログ書きたいな~と思っていたので2本目です。今日はタイトル通り、二度と観たくない名作映画について。この前、以下のようなツイートを見かけまして。

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https://twitter.com/dizfilms/status/1239474353315524608?s=21 
 いやダンサー・イン・ザ・ダーク分かる~!!人生で10本の指に入るくらい大好きな映画だけど、二度と観たくない~!!とめちゃくちゃ共感すると同時に、「……そういう映画、私結構ありますよね??」と思い立ちまして。そんな訳でそういう映画を列挙してみることにしました。ご紹介にあたっては、印象を大事にするため、ネットであらすじとかを調べずに自分の記憶をベースに書こうと思います。ストーリーの核心に触れるつもりはないけど、「二度と観たくない」と言っている時点でまぁ後味の悪さのネタバレになりますので、その辺はよろしくお願いします。ちなみに、ここで紹介している映画は二度と観たくないけどめちゃくちゃ良かったし、観て良かったと心底思ってる映画なので、お勧めです。ぜひ観てほしい。
 ちょっと長くなりそうなので、①、②に分けようと思います。
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ダンサー・イン・ザ・ダーク
 前述の通りとても好きな映画です。観たのは中学生~高校生くらいの多感な時期だったから余計に印象が大きい。ビョークという歌手が主演しているミュージカル映画で、歌がめちゃくちゃにいい。I’ve seen it allとか好きすぎてめっちゃ聞いた……。
 ストーリーはセルマという、貧しいながらもひたむきに生きるシングルマザーの話。遺伝性の病気で、段々目が見えなくなっていってるんだけど、息子に同じ十字架を負わせないために工場で毎日一生懸命働いて手術の費用を貯めてるのね。(ちなみに、目が見えなくなっていっているから、前述の”I’ve seen it all”=この世界の観たいものは全て見た、みたいな歌に繋がる)そんな彼女が、ある日工場のお金を盗んだ濡れ衣を着せられて……。みたいな話。
 簡単に言うと、最も私が苦手なジャンルである「何も悪くない善良な人間が、転がり落ちるようにつらい目に遭う話」です。辛い……でも音楽が美しくて、本当に名作なんだ……。セルマの心象風景(ミュージカルシーン)と、現実がシームレスに繋がって進んでいく展開も芸術的。あと、当時は何というバッドエンド……!と思ったラストシーンですが、今思うとあれはある種ハッピーエンドだったようにも思えてきた。(年を取るとものの見え方が変わってくる)
 ラストシーンが一番印象に残ってはいるんだけど、それ以外では友人に「(遺伝性の病気を持っていて、生まれてくる子も目が見えなくなるのが分かっているのに)何で子供を産んだの?」って聞かれたセルマが「赤ちゃんをこの手で抱いてみたかったの」って答えるシーンがめちゃくちゃ胸に残ってます。冒頭に書いたように20年くらい前に観たので、覚えてるシーンも断片的なんだけど。それに友人が何て答えたのかは全く覚えてないのですが、うわぁ~~ってなった。今思い出してもなる。人生とは、人が生きるとは、こういうことなんだよな……。理屈ではないのだ。
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ボーイズ・ドント・クライ
 実話を基にした映画です。性同一性障害の主人公の話。FtMっていうんだっけ?(Female To Male)メンタルが男性で、ボディが女性という。これはまー、めちゃくちゃしんどい映画なんだけど、私が今まで見てきた中でも屈指のラブストーリーだと思います。(全然ラブストーリー観ないタイプの人間の言ではありますが)
 簡単に言うと、FtMの主人公が、ヒロインと恋愛する話なのですが。このヒロインの関係者(お兄さんとその仲間だったかなぁ)がDQNで、主人公が女だと分かった時にブチ切れて主人公をレイプしたりするんだよね。後半から辛い展開が続きます……。ただ、このヒロインがさ~。元々ヘテロで、主人公のことを男だと思い込んで好きになるのね。というか主人公がそもそも身体は女だってことを隠してたから、騙された感じ。
 で、そのままセックスもして。(バレないように着衣セックスだった記憶。途中、「あれ?」と違和感を感じるんだけど、盛り上がってるしそのまま進行します)その後、主人公が問題を起こして”女性用の”留置所的なところに入れられてるところに助けに来るんだけど、主人公は当然めちゃくちゃ狼狽する訳ですよ。女だってのを隠してたから。「いや…これは…その…訳があって…」とかモゴモゴ言ってる主人公のところへツカツカと近寄って、鉄格子越しに「あなたが何でも関係ない。私がここから出してあげる!」って言うんですよね。
 ………愛じゃない????これ見たときもかなり若かったと思うんだけどさ、「うわぁーーーーーー!!!!これだ!これが愛だーーーーーー!!!!!」って超感銘受けたんだよ。私の思う恋愛とはこういう感じです。そう、激重。あなたが何でも関係ないんですよ……。男だろうが女だろうが、犯罪者だろうが何だろうが……。
 そういう意味で珠玉のラブストーリーなので、似たような恋愛観を持つ人には個人的にお勧めなんだけど、それ以外の部分がいかんせん辛すぎる上に最後に「これは実話を基にした映画です」というダメ押しが来るので、なかなか強くは勧められないのが残念……。まぁだからここに挙がってるんですが。
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わたしは、ダニエル・ブレイク
 これは比較的最近観た映画です。観たきっかけは、万引き家族Twitterで話題になった時に、イギリス映画で同様のテーマのこちらがよく引き合いに出されてたので。邦画があんまり得意ではないので、とりあえずまずはこちらを見てみようかな~、と思って観ました。比較的軽い気持ちで。
 いや~。この並びなので言わずもがななんですけど、辛かったねぇ……。社会の福祉から零れ落ちる人々を描いた作品で、奥さんに先立たれ、持病が悪化して働けなくなったダニエルが、役所をたらい回しにされたりしている日々の中で、同じく貧しい暮らしのシングルマザーと出会って親交を深めていくストーリー。(全く恋愛ではなく、友人として。強いて言えば年齢的にも疑似親子みたいな関係かな…強いて言えば、ですが)これもいわゆる、「善良で日々を必死に生きてる人間が理不尽に辛い目に遭う」系統の話なので、しんどいです。しんどい。
 こういう映画にありがちな、周りが本当にクソな人ばっかりでどんどん窮地に追い込まれていく……という話ではなく、むしろいい人の方が多い。それが結構意外だったし、救われる分しんどかった。この映画で一番胸に残ってるのは、シングルマザーが身体を売ってるのを見つけて、ダニエルが必死に止めるシーン。でもその母親にとってはお金もないし、どうしようもないんだよね。頑なな態度をとる彼女に、ダニエルが「本棚を作ったんだ、君のために」というシーンは、もう、もう……。私の中の柔らかい部分をめちゃくちゃに突き刺してきたもので結構ダメージが大きかったです。
 ちなみに、この映画は母親に勧めたのですが、観終わった後「ちょっと現実味がなかった」「日本ではああいうのってないから……」と言われたのが追加で大衝撃でした。う、うそでしょ……。めちゃくちゃリアルだと思ったんだけど……?そして日本でも福祉の網の目から零れて貧困で苦しんでる人なんてごまんといるでしょ……?同じ世界が見えていないのか???と、結構びっくりしましたね。世界は人によって本当に見え方が違う……。観た人に、ぜひこの映画にリアリティを感じたかどうか感想を聞かせてほしいものです。
 
 さて①はこの辺で。②では「ライフ・イズ・ビューティフル」、「チョコレート・ドーナツ」、「優しい嘘と贈り物」、「ペイフォワード」あたりを紹介したいと思います。
 関係ないけど、上記の感想書きながら何度もウッってなってたのですが、ダニエルブレイクの本棚のシーンを思い出したとこで遂に涙腺が決壊しました……。